医療情報 9611 2026年1月19日月曜日
医療情報 9611 | 2026年1月19日月曜日 発行
【速報】診療報酬改定、衆院解散の波紋:医療・介護・制度改革の最前線
✨ 記事概要:今週の主要医療政策トピック
高市早苗首相の衆院解散意向を受け、2026年度診療報酬改定の大幅プラス改定(本体プラス3.09%)を背景に、医療界は選挙支援への期待と社会保障政策への影響を注視しています。中医協は療養担当規則の見直しを答申、保険医療機関の管理者の責務・要件を明記。また、新地域医療構想の病床数算出基準や、保険医療材料制度の「逆ざや」対応、そして介護報酬の臨時改定における賃上げ措置など、多岐にわたる制度改革の詳細が明らかになりました。
🗳️ 政治動向と医療界の期待・懸念
高市首相が衆院解散の意向を示し、2月8日投開票の衆院選が取り沙汰される中、医療界は大きな関心を寄せています。
2026年度診療報酬改定の本体プラス3.09%という大幅なプラス改定実績をアピールし、選挙支援を期待する声が上がっています。
- 短期決戦による社会保障制度の複雑さ伝達への不安。
- 選挙戦における社会保障負担の争点化の可能性。
野党の動きと高額療養費制度
野党では、立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を設立。医師資格を持つ立憲民主党出身議員は、高額療養費制度の自己負担引き上げ撤回を主要公約として訴える構えです。
🏥 新地域医療構想:病床稼働率と推計基準
厚生労働省は、新たな地域医療構想(新構想)における医療需要の推計と必要病床数の算出基準を検討会に提案しました。
必要病床数の算出に用いる病床稼働率は、病床数が過大に推計されるリスクを避けるため、現行構想と同様の数値を維持する方針が示されました。
- 高度急性期: 75%
- 急性期: 78%
- 回復期: 90%
- 慢性期: 92%
また、75歳以上の患者の5割を包括期の需要と見込む案も提示されています。
📜 療養担当規則の見直しと管理者の新要件
中医協は、昨年12月の医療法等改正に伴う療養担当規則などの見直しについて答申しました。これにより、保険医療機関の管理者の責務・要件が明確化され、4月に施行されます。
管理者に課される責務と経験要件
- 保険医の療担規則順守監督。
- 療養給付に関する申請・届け出の適正な監督。
要件としては、臨床研修修了後に保険医療機関で3年以上診療に従事した経験が必要ですが、地域枠医師など特定の事情を持つ場合は容認されます。
オンライン診療受診施設と保険薬局の一体的な構造・経営は、医療計画上のへき地以外では認めないことが明記されました。
🔬 2026年度改定:優先技術と保険医療材料制度の緩和
優先度の高い技術158件を報告
中医協・医療技術評価分科会は、2026年度診療報酬改定で対応する優先度の高い技術として、新規62件、既存96件の合計158件を報告しました。このうち10件がロボット支援技術に関連しています。
28年度改定に向けて、学会からの新規収載提案書数に上限が設定され、上限を超える場合は「効果が乏しい医療」に関する提案を行うことが原則化されました。
保険医療材料制度の見直しと「逆ざや」対応
中医協総会は、2026年度の保険医療材料制度の見直し案を了承しました。
- 不採算品再算定の基準緩和: 上位2社が供給困難となった場合も再算定要件に追加。
- 「逆ざや」対応: 競争的市場において実勢価格が基準材料価格を上回る場合に引き上げを可能に。
また、厚生労働省はオンライン申請の対象となる施設基準に「医療DX推進体制整備加算」など約200項目を追加し、26日から申請を可能としました。
💴 賃上げ公約要望と歯科用貴金属価格高騰
自民党厚生労働部会は、衆院選の公約に医療・介護・障害福祉分野の賃上げに関する記載を盛り込むよう要望しました。
歯科用金銀パラジウム合金価格の急騰
3月の歯科用貴金属価格の随時改定で、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の告示価格が昨年12月の3,802円から4,779円に大幅に引き上げられる案が報告されました。
支払い側委員および診療側委員からは、保険財政と患者負担への影響を懸念し、次期改定で歯科用貴金属を用いない技術の拡充を強力に進めるべきとの意見が一致して出されました。
👵 介護報酬臨時改定と地域介護実態調査
6月施行の介護職員等処遇改善加算
社会保障審議会は、6月に行う介護報酬の臨時改定を答申しました。「介護職員等処遇改善加算」の対象は、訪問介護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援に拡大されます。
訪問介護の加算率は1.8%とされ、介護従事者1人あたり月額1.0万円の賃上げが図られます。さらに、生産性向上に取り組む事業者には月0.7万円の上乗せ措置が講じられます。
🏔️ 離島・中山間地域の介護加算実態調査
厚生労働省は来年度、離島・中山間地域・豪雪地帯における介護報酬上の加算のあり方を検討するため、実態調査を実施します。この調査は、2040年に向けたサービス需要減少地域での適切なサービス確保に向けた基礎資料として活用されます。
🦠 感染症動向と性差医療の最新知見
2026年第2週(1月5日~11日)の定点当たり報告数は、新型コロナウイルス感染症が1.58に、インフルエンザが10.54に増加しています。
性差を考慮したヘルスケアの重要性
政府の会議では、疾病診断・治療・予防において性差とライフコースの考慮が不可欠であると専門家が強調しました。また、「国際感染症フォーラム」では、腸内細菌由来毒素による大腸がん発症メカニズムなど、感染症とがんに関する最新知見が共有されました。
🚨 国保逃れ問題と日本維新の会の対応
高額な国民健康保険料の納付を避ける「国保逃れ」問題について、上野厚労相は対策の必要性を検討する考えを示しました。
日本維新の会は、一般社団法人の理事に就任することで国保料を逃れる「脱法的行為」に関与したとして、元職を含む所属地方議員6人を除名処分にしました。吉村洋文代表は謝罪しつつも、組織的関与を否定し、制度改正の必要性を訴えました。
🌎 国際医療改革と防災庁設置計画
トランプ米政権は、処方薬価格や医療保険料の引き下げを目指す医療保険制度改革計画を公表しました。これにより、オバマケアに基づく補助金拡充措置の期限切れによる利用者の負担増を緩和する狙いがあります。
一方、国内の牧野防災庁設置準備担当相は、防災庁の2026年中の設置について、衆院解散による予算成立の遅れが法案審議に影響する可能性があると述べました。
